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今こそ、課題解決型の企業は多言語化に!

長引く不況と多重苦で、日本国内の売上に安住が出来なくなった一部の国内寡占企業までもが遅まきながら、

続々と海外へ出始めたと言われています。お隣りの韓国企業は、自国内の市場規模が小さいが故に、韓国・国内よりも、創業時から世界市場をターゲットとして始動していると、よく言われています。特に韓国は、1997年のアジア通貨危機の時に、経済が破綻して、一時期IMFの管理下に陥った時期を境に、その後の国家の通商戦略を「貿易立国」として再生すると言う方針を明確にしました。

その結果、法人の実行税率(地方税を含む)を24.2%とし、「研究開発・人材開発費控除」を始め、企業に手厚い税制上のさまざまな優遇措置を取って、今日に至っています。最近日本と韓国の代表的企業の様々な比較が、経済雑誌等で行われていますが、韓国に比べ、明確な国の指針が有るわけではなく、ただ時間を費やしたという、日本政府の無為無策さを痛切に感じます。

20年に及ぶデフレ経済下で、国も企業もそして国民も病んでいるという、現状認識はあっても、具体的な対策が皆無とは、情けないと思います。第二次大戦後の廃墟から奇跡の復活を遂げ、やがてGNP世界2位となり、更に石油危機を含め幾多の世界的経済危機を乗り切って来た、過去の成功体験とその間に拡大した国内市場に安住し過ぎた結果、いわゆる「茹でガエル」化したのでは、と思う事があります。

しかし、日本には、様々な業界に世界に誇れるトヨタ・本田・ソニー・パナソニック等に代表される企業が存在しますが、今それらの企業が米国で、欧州で、そして新興国地域で苦戦を強いられています。グローバルなビジネス環境の中では、自社の為替の相場の読み違いや市場に投入した製品の仕様や性能、そして価格への判断ミスも業績に影響するでしょう。そして何よりも競合プレイヤーの存在と、彼等の市場戦略が、重要な意味を持っている様に思います。

日本はもとより世界的にも、その存在を知られた各分野の個々の企業のビジネスモデルの多くは、これまで欧米先進国の中間層以上の恵まれた人々を対象としたビジネスであったと言われています。しかし、こうした欧米先進国の経済が、リーマン・ショック以降に変調を来し、不安定化する中で、従来のビジネスモデルの大部分が変更を余儀なくされています。方向転換する市場は、高品質で、高付加価値を必ずしも必要としない、安くて、実用性と市場ニーズに富んだ製品への需要が、旺盛な新興国市場です。

しかし、この市場こそは中国・韓国企業の牙城とも言える市場で、ローカライズしている彼等と競争するのは大変だと思います。しかし、比較的人口の多いVIP(ベトナム・インドネシア・フィリピン)諸国を含め、中・韓企業の手薄な新興国が世界各地にあります。そして、各国共に、画一的ではなく、自然・条件など様々な国内事情を抱えています。

従って日本企業が課題解決型企業としての比重を大きくし、新興国の経済的発展に伴って発生する、公害対策等の様々な課題を、結果として、真摯に解決してくれる企業として認識される様に行動すれば、存在感が増すのではと思います。その為には、自社の経営理念を、例えば「Toyota Way」「Yamaha Way」といった「Way」で、自社はどのような価値観を大事にし、何を目指しているかを「多言語で明文化」し、浸透する努力をされてはどうかと思います。中・韓企業の得意な土俵ルールで、相撲を取る、利が薄くなってゆく消耗戦を避ける意味からも、経営理念を明確にし、課題解決型企業として行動してはどうかと思います。

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