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シルバーニューディール

世界的な大不況の中で、当初は比較的軽症といわれた我が国が、実は先進国の中で最も経済的ダメージが大きいことが明らかになりました。優れた製品を海外に輸出して外貨を稼ぐというビジネスモデル、すなわち輸出依存型経済でこれまで成長してきましたが、

世界同時不況で米国はもとよりEU、アジア、中東、東欧などの市場で需要が蒸発したことに加え、急激な円高傾向の定着が加わり、主要な輸出産業の企業が軒並み業績悪化に見舞われてしまいました。バブルの後遺症から少しずつ回復に向かっていると感じていた時期だっただけに、アメリカ発のこの不況は大変なショツクを与えています。そして、日本の経済構造の弱点である外需頼みの経済から、内需中心の経済にすべきだという声が出てきます。

しかし、全ての家庭であらゆる消費財が行き渡っているといわれている我が国で、新たな需要を喚起することは難しいという声もあります。それでは国内で新たな需要はもはや喚起できないのでしょうか? 従来型の考えでは、若者や中年世代を消費の中心としていましたが、180度視点を変えて高齢者の視点で社会を考えてはどうかというものです。

なにかにつけ「少子高齢化」という言葉を耳にしますが、確かに我が国の高齢者率は、世界でも飛び抜けて高く、国・地方の医療費負担が年々増加して財政圧迫要因といわれ、高齢者はまるで邪魔者扱いのように言われていますが、視点を変えて高齢者について考察してみますと、ニューディールの要素がそこにはありました。

東京大学政策ビジヨン研究センターが、「安心して暮らせる長寿社会実現に向けての理念提唱」を行いました。その内容は、「高齢者を標準とした社会づくりを進めることで、再生医療や介護ロボットをはじめとする新しい技術に基づいた商品やサービスの開発が期待することが出来、需要創造や雇用の拡大が見込める」とするものです。

次世代のこの日本型モデルに対して、東大政策ビジョン研究所が導き出した解は、「高齢者化社会の課題解決先進国」というもので、「日本に続いて高齢化社会を迎える、韓国・シガポール・ドイツ・スエーデンなどの世界の国々に対して課題解決のモデルを示す」ためだそうです。

東京・町田市で活動している、町田シニアビジネスコンサルティング・グループ(MSCG)の方々とある時期に交流を持ったことがあります。広域多摩地域に点在する大中小企業のOBが中心のグループでしたが、その中心的人物2名と親しくさせていただいた感想は、「社会還元」という言葉をよく使われていました。また「いつまでも社会と接点を持って考え、行動しているとボケ防止になり、ひいては国の医療費の抑制にも役立ち、良いことずくめですよ」と話していました。

メンバーの多くが戦後の物資が無いか、不足している時代に育った為か、必要なものは自分で作るという習性が強い反面、新しい技術や製品への好奇心も強く、若い世代とは大分違うなと思いました。彼らは地域の零細企業に出向き製品開発や技術アドバイスをしたり、近隣の大学に地域振興の観点から協力を仰ぐ活動をしていました。

そしてその大学の技術系学部の担当教授の中にも企業OBがかなりいるようでした。高齢者を、単に医療や介護といった側面から取り上げるのではなく、高齢者がバリアフリーを始めとして行動しやすい環境を地域ごとに整備すれば行動機会は増加し、消費活動の担い手となり、新しい雇用の創出につながると思います。1430兆円ともいわれている個人の金融資産の多くは高齢者が保有し、今なお極めて元気な高齢者が多くいます。「シルバー・ニューディール」というこの考えは、世界で一番早く高齢化社会を迎えた日本ならではの視点で、今後に期待したいものです。

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